『はやく』すること

豊中の塾マイルストーンズです.

折込チラシ連動企画を…と思っていましたが,突然公立校の一斉休校になりました.大きな変化がある時こそ,そこから学ぶこともあります.金曜日の午後,スミノ先生との会話の一部です.


教室長ウリュウ(以下ウ)冗談で言ってたらホントになっちゃった.

副教室長スミノ(以下ス)紙製品の買い占めですか.

ウ:地震とは違って,ある程度先読みできるから早く動けたけどね.

ス:たまたま1月の中旬にマスクと消毒液,もしかして,って笑いながら2月の初めにトイレットペーパーとティッシュペーパーをストックしてましたもんね,そう言えばもうインスタントラーメンは買ったんですか?

ウ:余裕(笑).40日も家に子供がいるんなら『インスタント食品,冷凍食品,パン,チンごはん』はよく売れるな,という予想を27日に…いや今回のブログは『備蓄のススメ』ではなくて,世の中で起こっていることから子供に何を教えるか,という話にしようと.

ス:情報リテラシーについては,むしろ子供のほうが分かってるかもしれない,という話を以前にしましたね.

ウ:そう.今回は『はやくする』ことの違いについて.



はやくすれば、はやくしないでいい

ス:うわ懐かしい(笑).私が新人の時にそれ言われましたね.

ウ:そう.『はやくしないでいいように,はやくすれば色々ラクよ』というやつね.口で言うと何言ってんだ?となるので,太い文字にしてみますね.

『早く』すれば『速く』しないでいいから余裕がでるよ

ス:何かを『早い』時期に始めておけば,経過を観察できる,何か問題が起こってもゆっくり対処できるし,そもそも色々なトラブルを想定して対応策をじっくり用意しておく余裕が生まれる,それをしないでギリギリまでほったらかして,いきなり解決しようとすると…

ウ:『速く』しないと間に合わない!ってなるでしょ(笑).仕事量が増えて,内容が複雑になってくると特に『速さ』より『早さ』が重要になります.すごく優秀な人でも『速く』しすぎるとエラーは出やすいし,トラブルが後から出やすい.経過観察する余裕がないと,データも少なくて後から検証しにくい.普通の人が慌てると,目が逆三角形になって,怒りっぽくなって,人の話が聞けなくなる(笑).

今回の一斉休校の話ですが,例えば飲み会のセッティングでも10人超えたら早めのスケジュール調整はマストでしょう.今回は万単位レベルの国民のスケジュール変更を,木曜の夕方に言いだして翌日までに生徒と保護者に方針を示せ,ですから.全国の学校の先生方も教育委員会の皆さんも点目だったと思いますよ.親御さんも.子供の健康を,っていうスタート地点は皆さん納得しているでしょうから,それだけにね.

ス:『ちょっと速すぎてついていけません,もう少し早く言ってもらったほうが』と.

ウ:変化を受け入れるには時間が必要でしょ.私は急に言われるのと,せかされるのが苦手です.草食動物みたいにぼーっとしてますから.

ス:そういえば,先生が慌ててるところって,あまり見ませんね.地震で教室が揺れても

ウ:ぼーっとしてた.あれは逃げないといけなかったね.でも『いつも慌ててるおじさん』なんて誰も見たくないんじゃない?『いつもすっごい早口のおじさん』とか.横にいて落ち着かないわ(笑).


どちらの『はやく』?

ス:口で言うと違いがわからない,っていう話ですけど,『はやくしなさい!』ってつい子供に言っちゃうんです…というご相談を受けたことがありましたね.

ウ:言ってもいいと思うんです(笑)大人になったら嫌でも周囲の求める一定のペースを守らないといけないわけだし.仕事には納期,っていうタイムリミットもあるし.ただ『速く』なのか『早く』なのかの違いは示してあげるといいでしょうね.

ス:もう少し『前から』始めたら『慌ててミスしない』ですむよ,そのほうが自分のペースでキレイにできるし,お直ししないでいいからラクよ.長いですかね(笑)?


早い/速いのバランス感覚

ウ:『はやくしなさい!』は『スピード』に対する指示に聞こえるので,とにかく『速く』すればいいんだ!みたいに落ち着きなく勉強するクセがついている子もいます.試験時間は限りがあるので,一定のスピードも必要ですけどね.

ス:速くできるのに,必要以上に時間をかけすぎて計算ミスをする子もいます.遅すぎることで逆に注意力が散漫になる子もいるんです.リズミカルにやったほうが適度に緊張して,ミスが減る場合もあるんですけど.

ウ:『ゆっくり』『のんびり』が常に『よいこと』とは限らない.私だって必要な時は速く逃げ…じゃない,動きます(笑).状況に応じた『スピード』と『熟考』の使い分けが身についている生徒は少ないね.処理は正確だけど時間をかけすぎる子,とりあえず速いけどミスが多い子.この調整が課題になる生徒は多い.

ス:すぐ答を出したがる子,すぐ次の問題に行きたがる子,って応用問題に弱いケースが多いです.『テキパキ計算・じっくり応用』どっちも楽しんで欲しいです.

ウ:アタマいい,って言われる子の中には,できるだけ放置して,直前にアクロバットみたいにババババって,問題解いて,たくさん正解を出して,両手広げて『はいー!』みたいな.平均90でました~,っていう人もいるよね.

ス:誰が芸をしてみせろと(笑).算数だと『暗算』で片づけたがる子,途中式を書かないで答だけ出す,という『芸』にこだわる子もいます.

ウ:『字を書かないで,全部アタマの中で正解出せちゃいます芸』(笑).あれ,お手玉と言うかジャグラーと言うかね.楽しいよね,バシッと決まると.クセになるのも,まあ分かる(笑).難関中学入試の経験がある子はしないけどね.扱う問題のレベルが上がると通用しなくなるから.今は大人も『短時間で効率よく』を良しとするし,それに適応してるだけなんだけどね.できればその芸は,小学生で卒業してほしいですね.


高校で変わる子も

ス:早くしたほうがいい,というと『中高生の定期テスト勉強』ですね.成績の上がらない生徒に『あるある』なのが,『早く動かない』から直前になって『速く』動いて間に合わずグダグダ,というパターン.

ウ:マイルストーンズでは,テスト2週間前には『初動』の指示を出します.なかなかエンジンがかからない子でも,高校で変わる子もいますね.中学と比べて学習量と質が上がるから,これ早めに動かないと本当に間に合わんな,っていう体感ができたんでしょう.

ス:中学までは『義務教育』レベルですから,少しカンのいい子なら直前の勉強でも点数取れちゃう場合もありますしね.

ウ:そう,ちょっとカンのいい小中学生に多いね.マイルストーンズの授業は先行型なので,自動的に『早め』ですけど.でも2~3単元先行レベルで意図的に『寸止め』します.早けりゃいいってもんでもないので.

ス:先取りの効果と早期学習は別ですからね.それについてもまとめておきますか?

ウ:では次回にその話を.


『早期学習』に向く子,向かない子』をテーマに話は続いていきます






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