抜くチカラ
豊中の塾マイルストーンズです.
今回は教室長ウリュウと副教室長スミノの対談形式で進めていきます.
ウリュウ【以下ウ】:前回の記事なんですが.
スミノ【以下ス】:書いて書いて?
ウ:あれ読んで思ったんですよ.
ス:はい.
ウ:正確さとスピードの両立に悩む生徒は多いよね.
ス:正確に解くと時間が足りない.速く解くとミスする.
ウ:それね.基本的に正確さが最優先.正確さがキープできる,あるいは意識しない状態,ほぼセミオート状態でも処理の精度が落ちないところまで処理能力を高めてから速度を上げる.
ス:で,速度を上げてミスが出たら,少し速度を落として正確さをキープして,ミスを意識しながら,また『こそ~っと』スピードを上げてみる.
ウ:そう.前回の記事にあったけど,相当『やりこみ』してたみたいね.計算とか字を書くときとか.
ス:小学校の頃にみっちり(笑).大好きでしたから.
ウ:成績のいい人,って字を『速く正確に書く』のがうまい.筆圧が低めで紙の上を筆記具がキレイにすべっていくね.サラサラサラサラー,って.あれも矛盾をうまく両立させてるね.
ス:力を入れると遅くなるし,抜きすぎると字が乱れる.
ウ:実はフィジカルなんですよ.チカラの入れ所と抜き所,緊張とリラックス.どこかにバランスが取れる『ポイント』があるのね.そういうのは『やりこみ』がないと体感できないわな.
ス:書いて書いて,ですね.楽器の演奏もそうですよね.難しいフレーズで指がうまく回らない時なんかは『うまく抜ける』とフレーズが流れ始めます.抜きすぎると音が出ない(笑)
ウ:中免(中型自動2輪免許)持ってたよね?
ス:400ccまでなら乗れます.
ウ:抜重,ってあるでしょ.荷重の反対ね.
ス:バイクの方向を変える時のやつですね.
ウ:そう.あれも同じ.武道の世界では抜力,というのもある.字を書くにしても,楽器の演奏にしても,ある種のスポーツにしても,レベルがあがってくると『抜き』の技術を通過する.そういうの,体感する機会が減ってるのかな?
ス:子供たちが,ですか?どうだろう.習字とか楽器とかスポーツをしている子は多いと思うんですけど.
ウ:よね.体験してても,他のテーマ,例えば勉強とかに応用がきいていない.モノ考える時も同じなんやけどね.
ス:『入れすぎる』とダメ(笑).
ウ:『目標』を持つことはイイことだってのもまあ,わかるんだけど,『点数』とか『合格』とか,そっちに意識が行き過ぎて力が入りすぎると『抜けない』子が多いね.
ス:あー,私,そうだったかも(笑)固かったなあ.
ウ:対象との適切な距離感,間合いは大事ですね.『間違えちゃダメだ』『正解しなきゃダメだ』『ミスしちゃダメだ』『高い点じゃなきゃダメだ』『合格しなきゃ・・・』みたいなある意味『欲に目がくらむ』状態だと,視野狭窄が起こって見えるモノも見えなくなっちゃう.スポーツなんかだと『勝ち』を意識しすぎると動きが悪くなるでしょ.
ス:できる人って,リラックスしてますね.長時間詰めて考え続けるんだけど,どこかで『ちょっと置いとく』ことができて.でも完全に『アタマから抜く』こともしないから,他のことをしてる時に『あ!』ってひらめいたりするみたいです.
ウ:問題を『ちょっと置いとく話』は森毅さん,iPSの山中さんもお風呂の中でひらめいたらしいね.
ス:『抜きすぎ』てもダメ,なんですよね?
ウ:すみません(笑)私,それだ.基本的に『まあエエやん』って.リラックスし過ぎてすぐ寝ちゃいますから.
ス:起きててくださいよ(笑)大人になると楽なんですけど,若い時って,物事との距離感とか,力加減がうまくいかないことが多いですよね.
ウ:デジタルな人も増えたしね.『チカラを入れるんですか,抜くんですか!』
ス:どちらかにしてくれないと困ります!みたいな.
ウ:ごめーん,『どっちも』やねん(笑),って言うと混乱しちゃうのかもね.
ス:ガッチガチに『緊張』してるかと思うとダランダランに『たるみきっちゃう』両極端な状態が交互に来る子は増えました.
ウ:中間の状態,あやふやな状態,相反する状態の両立,みたいな『フィジカルな事案』はネットで疑似体験できないからね.曖昧なのは嫌われちゃう.80年代からこっち,極端で分かりやすいのが好きな人も増えた.
ス:そういう意味ではマイルストーンズ,フィジカルな塾ですね.
ウ:うん.これ結構,誤解されていると思うんですが…勉強って,アタマでするものだと.カラダとは別だ,と.『勉強とスポーツの両立』とか言いますね.勉強が得意な人はスポーツが苦手で,スポーツが得意な人は勉強が苦手,みたいな.
ス:昭和の感じですね.『片方だけ』が普通だから,両方できる子はすごいね,っていう.
ウ:多分『文武両道』がルーツだと思うけど,あれ『両道は同じ.不可分だよ』みたいなニュアンスなんじゃないかと思ってて.
ス:そもそも分けて考えない.
ウ:アタマは肉体の一部,脳は身体の器官ですから.カラダを鍛えるように勉強することは可能なんですよ.逆にアタマのいい人がロジカルにカラダを鍛えるのにハマることもあるわけです.楽しいでしょ?ランニング.
ス:そういえば,講師がやたらカラダ鍛える塾ですね.
ウ:はい.不可分ですから(笑)
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