共通テストの感想①
豊中の塾 マイルストーンズです.
文系科目の問題内容をサラッと確認しましたので,英語を中心に印象を書いておきます.
友達になってもらえない?
ネット上には英語の問題に対して『鬼畜』『無理』『これを簡単だという人とは友達になれない』という受験生のコメントがでていました.
ふむ.友達になってもらえないかもしれませんが,単に量が増えた『だけ』で,抽象的な文章が減り,日常的な内容が増えていますから『ある意味,簡単になった』という見方もあるんじゃないかと思います.『難化』と分析している予備校もありますが.
問題のパターンが『想定外』『対策通りではなかった』ので『必要以上に難しく感じた』という面もあったのかもしれません.
まあ、センター入試の頃から、毎年試験終了後に,問題に関するコメントが色々出てくる『祭り』はありますからね.
外部検定試験に寄せてきた?
TOEFLやTOEICなど、いわゆる民間の英語検定試験のスコアを英語の入試判定に使う,というのは既に大阪府立高校入試で採用されています.で,今回の共通テストもそれをやろうとして反対の声が上がっていました.受験料が高いので,(もう少し何とかならないんだろうか)経済状況の格差が反映されるのではないか,ということでしたね.
今回,共通テストが外部の検定試験に似せてきたのかな?と思ったのですが,TOEFLはもうちょい抽象性が高く,アカデミックな内容が多いんですよね.今回の共通テストは日常言語が多いので,例えばTOEFLならJUNIORとiBT(リーディング・リスニング)の間くらいの設定でしょうか.
『文部科学省』の意図を先読みして,TOEFLの教材やってた受験生(いるのかな?)なら,今回かなり楽だったかもしれません.まあ,それは『リアルな政治』の動きからヤマをはるようなお話で,そういうことに目先がきく,ということと英語の学力とは関係ないです.(実はこの辺のことが個人的にはかなり引っかかるので,後日書きます)
私立大学の独自問題は?
仮に文章の抽象性を『高・中・低』の3段階に分けるとして,従来のセンター英語は『中・低』レベル.国公立は2次試験で『高』レベルを課して,センター利用の私大受験は,ハイスコアを取ればOK,という流れがありました.
今回の英語については『日常レベル』に偏った印象があります.国公立は抽象性の高い文章読解や記述力の判断を『2次試験』で補うんでしょうが,私大で過去に『センター利用』をしていたところは、今回どうするんでしょう.私大の独自問題に注目しています.
中高数年間を英語圏で生活していた,半分英語のネイティブスピーカーみたいな留学生や帰国子女にとってはかなり有利な問題だったと思います.これでハイスコアとってもね.うーん?どうなんだろう.
特殊な学部を除けば,学部生が英語の文献や論文を大量に読んだり書いたりしている印象もないですから,例えば『遺伝子』とか『摩擦係数』とか『気候問題』とか『産業心理学』みたいな抽象性の高いテーマの英文は院生になる時でOK,それよりも『日常的なコミュニケーションレベルの英語』を重視,という設定なのかもしれません.
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